五感で選ぶ2018年に読んだお気に入り漫画

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2018年kindleで本を227冊購入した。おおよそ購入する本の8割が漫画なので、180冊ほどの漫画を購入して読んだことになる。そのなかから五感をテーマにお気に入り漫画を5つ選出する。

 

 [僕の心のヤバいやつ]山田のジャージの匂い[嗅覚]

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男女のラブコメは男が陽キャだったりすると自分とかけ離れすぎていて感情移入するのが困難で読み進めるのが辛くなるが、この作品は主人公の市川くんが程よく陰キャラで自分と重ね合わせやすく感情移入の障壁があまりなかった。中でもクラスの好きな女の子のジャージの匂いを不可抗力で嗅ぐこのシーンはとても良い。どんな匂いであれ性的興奮で思考が支配されそうな状況で、冷静なツッコミを入れる理性と本能の絶妙なバランスがあるからだ。女子に対して性欲丸出しではキモがられ、興味ない振りをしても不自然でキモがられる。僅かに活路を見出せるのはその絶妙な塩梅にて接することであり、市川くんにはそれが備わっている。主人公がぼっちでキモくありながらも山田と仲良くやれているのを安心して見ていられるのはこのあたりのバランスにあると思っている。陰キャの理想と学びが詰まっている作品。

 

 

 

 [二匹目の金魚]夕方の町内放送[聴覚]

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 夕方になると鳴る町内のチャイムの発信源を辿る話。町内の冒険が僅かなワクワク心を、知恵を絞って答えに近づいていく様が知的好奇心を生む。それに夕方のチャイムが気だるさとノスタルジーを生む。作品全体に独特な雰囲気があり何度も読み返したくなる魅力があった。実際なんども読み返したし、panpanyaのLINEスタンプは今年何度も使った。「諦めちゃ駄目だ!」スタンプがとてもよい。

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二匹目の金魚

二匹目の金魚

 

 

 

 [ロジカとラッカセイ]ラッカの乗った流れ星[視覚]

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絵本のような暖かいタッチでほのぼのしながら、古代兵器や人類の末裔などが不吉な匂いを漂わせながら、やっぱりほのぼのしている作品。ずっとほのぼのな日常が続いて欲しいという気持ちが湧き上がると共に、その平和を守るしーさんに愛おしさを感じずにはいられない。頑張れしーさん。

ロジカとラッカセイ 1巻 (BUNCH COMICS)

ロジカとラッカセイ 1巻 (BUNCH COMICS)

 

 

 

 [HUNTER×HUNTER]フランクリンの飯[味覚]

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ブラックホエール号の最下層飯が似合う男No1。体でかいのにそれしか食わねえのかよとか、金持ってるだろうにファストフードかよとか、うまそうなステーキ眼の前に出されて興味を示さないのかよとか、様々な思考が生まれて印象深かったシーン。 ヒソカハントのアプローチは人それぞれで、単独で行動するマチや、能力者でチームを組んで狩りに行くクロロや、マフィアと手を結んで効率的に探索するノブナガや、様々な選択肢があるが、あえて何もせずに「あっちに見つけてもらう」という逆転の発想を見せたフランクリン。どっしり構えて迎え撃つ姿は男らしくて頼もしくもあるが、その量だと腹が減ってジリ貧にならないのかと心配にもなった。次回の登場が楽しみだが何年後になるのかわからない。

HUNTER×HUNTER 36 (ジャンプコミックス)

HUNTER×HUNTER 36 (ジャンプコミックス)

 

 

 [私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!]蠱惑的な頭髪[触覚]

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今年最も更新が楽しみだった漫画。本作に登場するキャラクターは癖の強い尖ったキャラクターが多かったが、なかでもうっちーはその筆頭で、現実にはまずいないであろう基地外じみた行動を見せながらも、もこっちに一途にアプローチし続ける健気さとセクハラを受けた悲しいバッググラウンドを持っていて、もこっちとの成就を応援したくなるキャラだった。髪の毛が顔にあたったときのくすぐったくも気持ち悪いあの感触は、うっちーの表現するもこっちの蠱惑的な魅力そのものだったのではないかと思う。

 

来年も五感に響く良い漫画に出会いたい。